弁当問題
アメリカなどにいる日本人で子どものいる家庭が、子どもを学校に送り出すようになると多少なりとも悩むことの一つがお弁当に何を持っていくかということだろう。悩むと言うほどではないにせよ、多少考えなければならないことだ。
アメリカは多文化社会だからお弁当もその家庭それぞれの文化の香り高い食材を持ってきて当然だろう、と思う人も多いかもしれないが、案外子どもの方が気を使ってたりするらしい。多文化社会とはいえ、アメリカは白人とそれ以外の人々の住み分けが徹底して行われてきた歴史のある国なので、例えばメキシカンがブリトーなどをお昼に持っていったら白人にばかにされた、 なんてことは今でもあるようだ。それも、あちこちで見られる現象のようだ。在米の日本人の子どもでも、おにぎりを持っていくとなにそれ、とか言われてもう持っていくのがいやだ、という子もいるらしい。
とはいえ、カリフォルニアは多文化がバランスよく極まっている場所もある。Davisなんかは、大学町のお陰で、教育レベルの高い移民の子どもが多いので、 多文化化はうまくいっているほうである。それに、特にカリフォルニアは非常に進歩的な州だ。Sushiの浸透度も高いから、ご飯を持っていったってそれほど変ではない。また、アメリカは、変なところで見えの張り合いのようなことは全くしないので、日本のように凝ったお弁当を持っていかせないと見栄えが悪い、と言うようなことは全くないので、その点は母親としては大変助かる。合理的というのか、不器用だからできないのか、とにかくお弁当ごときに面倒すぎることをする母親は皆無である。この点ではアメリカは本当にすばらしい。
だから、娘のキンダー時代に、他のクラスメートがどんなものを持ってくるのか観察していると本当に多様で、面白かった。この時は昼食ではなく、スナックだったが。フルーツ好きらしくいつもりんごとかバナナとかを持ってくる子、立派な昼食のような大きなサンドイッチを持ってくる子、ナーンを持って来ている子までいた。でも、シリアルバー一個だけ、という子も時々いて、それはなんとなくちょっと寂しい感じではあったが。
娘がキンダーの頃は、同じクラスに日本人の子もいたので、よく小さいおにぎりや、チキンの手羽焼きの残りなどを持っていっていた。うちの子はチキンが好きなもので。こちらの学校ではお昼やスナックと言えば”peanut butter and jelly”サンドイッチが定番だが、そのころ娘はピーナツバターがあまり好きではなかった。
一年生になると、日本人はクラスで一人だし、始めからおにぎりはもしかしていやかもしれない、と思って娘に聞いたところ、なんとそのあまり好きでなかった peanut butter and jellyを持っていきたいという。急に大好きになったんだそうである。仲良しになった友達も持ってきているらしい。それで張り切って一週間毎日それを持っていった。(パンはwhole wheatにした)野菜や肉類も添えた。
一週間続けるとさすがに飽きたようで、おにぎりがいいとか、卵サンドがいいとかいうようになった。もちろん毎日注文を聞いてから作っていたら学校に遅れてしまうので、前の日に忘れなければ希望を聞き、忘れたら冷蔵庫の中の残り物の具合に応じてサンドイッチにしたりおにぎりにしたりしている。
どうしても忙しかったりで用意できない場合は、その日の朝に注文してお金を払えばランチを買うこともできる。週一回はピザの日があり、その日だけは買うことにしている家があったりする。でも、メニューを見ると、普通のサンドイッチもあるが、grilled cheese sandwichとか、mac and cheeseとかが多く、毎日こればかりだとかなり心配になりそうな内容だ。 ちなみに値段は3ドル25セント。ミルクをつけると3ドル75セント。貧しい家庭の子は割引の値段で40セントだそうだ。日本の給食費は小学校は月々一律3900円ぐらいだそうだから、内容も考えると日本の給食費はやはり安いのではないだろうか。アメリカは貧しい家庭の割引率がとても高い。
ちなみに、この地区の学校の低学年は週四日は二時半までだが、スナック・休憩時間が3回ある。朝15分ぐらいの休憩。昼45分ぐらいの昼食・遊びの時間。そして午後の短い休憩。朝の休憩の時にはスナックを食べてもいい。一年生のなれないうちは、スナックの時間にお昼を食べてしまい、お昼の時に食べるものがなくなった!という子どもも出現していた。 娘などは遊ぶ方に夢中であまり食べていなかったりすることが多いが、一年生になってからは前よりたくさん食べるようになった。お弁当箱がからになっているとなぜか嬉しいものだ。たとえ、冷凍食品のチキンナゲットを暖め解凍して、ミニトマトとミニにんじんをつめただけでも。